日本の25倍の、大きさがある米国。それだけにニューヨークや、サンフランシスコとは、大きく異なる観光スポットは、際限なく探せる。
その一つが、米本土の南、大西洋とカリブ海に点在する、多くの島々。西海岸や日本にとってのハワイ。ただしこの辺りは、首都ワシントンやニューヨークの真南。勿論フロリダからは、目と鼻の先。チャーター機で、一飛びの距離。 その中でも一番人気。それがバハマ諸島。バハマの首都はナッソー。ゴルフの賭け用語、ナッソーは「この土地で生まれた」と聞いている。
最近の米ツアー、毎週の様に高額賞金の、イベントが続く。それはトップ級にとっても、消耗を早める可能性が高い。特に今年は真夏に、リオ五輪が加わる。ゴルフの五輪種目復帰は、1904年のセントルイス以来、112年ぶりのこと。それだけにプロ達も、熱が入る。
余談だが、通常のツアー競技は、チャンピオンシップ。それに対し、五輪はコンペティション。
そのため全英オープンや、全米プロの日程も、僅かにだが擦れる。そしてそれが終われば、FedEx Cupのプレーオフと、それに続くツアー選手権。
さらに今年はライダーカップの年。期日は9月最終週。舞台はミネソタ州ヘイゼルティン・ナショナル。2年前、米は最終日に大逆転を食らっている。それだけに、今回は余計に力が入る。
繰り返すが、これだけ詰まった日程。それを忠実に消化していたら、身が持たない。そこで人気者4人が、決断したのが、バハマでのバケーション。マスターズ終了を待ち、ヘリテージとテキサスの週。顔触れはスピース、ファウラー、ジャスティン・トーマス。そして売り出し中の、スマイリー・カウフマン。
米から送られてきた、この写真が、総てを物語っている。勿論それぞれ、ガールフレンドも同伴。休日中、ゴルフの話など、「一切出て来なかった」と言う。
昔ニクラスがプロ転向した頃(1962年)。「一般の人より恵まれた生活が出来るのは、賞金ランク3位くらい迄だった」(ニクラス)プロゴルフ。それが現在では、1試合の優勝賞金が、一億数千万円。エンドースメントも多く、他のプロスポーツ、MLBやNFLに引けをとらない高額収入。
職業としての魅力は、一方で狭き門でもある。それを突破し、チャーター機で、世界最高級リゾート、バハマで豪遊する。昔の日本。勝新太郎、石原裕次郎、小林旭たちの時代。彼らは、都合を付けては、京都まで車を車を飛ばし、茶屋遊びを満喫した。そんな話を聞いている。
一般大衆には、手の届かない、時間と空間を独占できる。それがスターの、スターたる所以。その雰囲気をトーナメント会場に、さり気なく持ち込む。だからファンは、熱狂するのだ。
観客は、トーナメントの熱戦にも期待する。一方でスターの存在に憧れ、そのスターを観に来るのでもある。
冬のフェニックス・オープン。松山、勝つには勝ったが、競り合った相手は、リッキー・ファウラーだった。「あの最終日、コース全部がリッキーを応援していた」と、苦笑いしていた。
いま日本ツアーで、同じことが起こるだろうか。それにしても、若い連中4人の、バハマの休日。写真を見るだけで、微笑ましくなる。
(April.25.2016)