ゴルフ以上に、ビジネスの能力。USGA新女性会長

courtesy of The United State Golf Association

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G8など主要国際会議の主役は男性。そんな中、欧州に於ける女性の活躍は目立つ。代表格はドイツのメルケル首相。続いて最近デンマーク。さらにスロバキアのトップにも、女性が就任した。ゴルフ界では今夏、ローラ・デイビイズやアニカが女性会員として、R&Aに迎えられている。260年余の歴史で初めてのことだった。

勿論それは米でも起こっている。かつて白人男性300人のクラブだった、オーガスタ・ナショナルGC。其処へも女性が2人同時に迎えられた。その一人はライス元国務長官。アフリカ系の彼女は、オーガスタの歴史的タブーを、一度に二つ破ったことになる。そして2016年のUSGA(米国ゴルフ協会)新会長に、このほど女性が選出されたこと。59歳の実業家ダイアナ・マーフィー氏。日本でも女性を登用する動きは出ているが、どうやら速度が違うようだ。

赤いスーツが似合う金髪。本業は米大西洋岸南部に本拠を置く、ロックソリッド・ホールデング社の専務。USGAに迎えられたのは1988年。それ以来USGAと協賛企業の窓口。5年前にエグゼクティブ委員会に名を連ね、それから決して長くない経験。だが実績が認められ、12月1日の委員会で、第64代米国ゴルフ協会の会長に、選出されたもの。正式には2月に行われるUSGA年次総会で承認され、晴れてスタートするのだが、それにしてもこの会長選び。日本とは大きな差があり、羨ましいほどだ。

この夏7月、新体制がスタートした、JGA(日本ゴルフ協会)の簡単な説明。最大の違い。それは顔触れが殆ど変化しないこと。新会長は、竹田恆正副会長が昇格。これ迄長いこと、無給のままだったと言われる、永田専務理事が副会長に。ここ迄は無風。意外な人事は安西孝之前会長が、名誉会長として残ったこと。これでは旧体制と、全く同じ顔触れ。

それに比べUSGAは、エグゼクティブ委員会歴5年の女性が、トーマス・オトール氏に代わって選出された。然も会長の期限は一年。短いのでは、との印象がなくはない。だがマーフィー新会長としては、USGAに加わったのが1988年。それからズッと仕事を続けてきたテーマは不変。それらはゴルフの底辺拡大へのコミュニケーション。それらを支えるための潤沢な資金作りなど。だから一年の期限でも、充分な結果を残すことが可能になる。その才能を認められての64代会長への選出。この辺りも日本が参考にすべき、大きなポイントになる。

何故ならJGAの場合、ゴルフの斜陽化に、歯止めが掛からない。一つの具体例が3オープンに対する、世間の関心の低さ。勿論予算的にも、依然として各ゴルフ場が収める,年会費頼りの体質を、避けられないでいる。

話しはマーフィー氏に戻る。学歴はウェスト・バージニア大と、シカゴのノースウエスタン大。実を言うと、史上2人目の女性会長のニュースは、Global Golf Postの特ダネだった。GGPの編集長もノースウエスタン大卒。そのコネクションで得た、ゴルフ業界としてのスクープだった。

それにしても、USGAが率先している普及策の一つ。それはドライブ、チップ、パット。子供達の最終競技が、マスターズの週はじめ,オーガスタで実施される。これも女性会長の得意分野、コミュニケーションの結果なのだ。若い59歳女性会長への期待は大きい。

(Dec.07.2015)