2015年は、カパルアで松山が、好調に飛び出して開幕した。
四月のマスターズ。そして6月の全米オープンなど。それぞれに週の前半は、晩餐会のラッシュになる。特に水曜夕刻。全米オープンの週は,主催USGAのディナー。それに対し4月のマスターズ。この週の水曜夕刻は、私たちのGWAA(米ゴルフ記者協会)主催の公式な晩餐会。同じ時間オーガスタのクラブ内では、海外からの招待選手。彼らを主賓とした、歓迎夕食会が催される。
人の集まりには,当然ながら然るべき目的がある。GWAAの夕食会。その目的は、前年の最優秀選手表彰。
マスターズも全米オープンも、ゴルフに関連する関係者。その大多数が集結する。社交の場。従って祝福する側の、世界の顔触れは,殆ど勢揃いする。その時の主賓が男女、そしてチャンピオンズツアーの、最優秀選手になる。
彼らの競技を,私たちは丸一シーズン、直接間接取材する。そして種々意見を交換する。それはゴルフ界に、多少でも役立つ。そう言った構図。だからディナー会場で会う、一人一人に思い入れがある。
その様な、過ぎ去った一年の動き。それを踏まえ昨年クリスマス時。私たちが選んだ、2014年最優秀選手。それがマキロイ、ルイス。そしてチャンピオンズツアーのランがーだった。
マキロイに関しては,文句の付けようがない。多分振られたのだろう。キャロライン・ウオズニアッキを失った衝撃にもめげず、後半2つのメジャータイトルを連取した。日本人の母を持つ、ファウラーも良く遣った。だが2度の2位と、メジャー2勝では、比較のしようがない。
この選考で、もう一つ重要視されるもの。これは投票率の高さ。より全員に近い投票が、会員としての義務。そのためヒューストンに在る事務局。そこでは「締め切り迄、あと何日」を,全会員に連日知らせる。
男子の25歳マキロイと共に、私が選んだ女子の最優秀選手は、ステイシー・ルイス。年間4勝。そのうちの一つに、全英女子オープンも含まれている。抜きん出るに、充分な成績だった。
GWAA主催の、マスターズ晩餐会は、4月8日水曜夜。そこでは、これまで示唆に富む,多くの微笑ましいスピーチが、会場を湧かせてきた。
長いこと表彰ディナーの主役が、当たり前だったタイガー。その前のトム・ワトソンと、LPGAの金看板だった、ナンシー・ロペス。更に遡ればニクラスからパーマーまで。
私たち千名近い会員(米国人だけでなく英、スペイン、そして日本国籍の私も加え)は、この様な機会に接することで、ゴルフを通した、ジャーナリストとして、多くの訓練を受ける機会を得られる。それは歴史の積み重ねだ。それも世界最強が、揃う中で。
未来の話。この先三十年が過ぎた時。マキロイは白髪交じりの、チャンピオンズツアープロに,なっている可能性。
その時パーマー、ニクラスや私たちは、既にこの世にいない。それでも今年の、表彰ディナーは、何処かで語り継がれる。
一度や二度の優勝では、到底対象にならない年間MVP。選考を終え、いま私たちは、その重みを実感している。
(Jan.12.2015)