PING cross over、アイアンで280ヤード飛ばす

この絵の通り、外観はアイアン。それでバッバは「280.1ヤード」先へボールを落とした。メーカーの開発能力は、大変なモノだ

この絵の通り、外観はアイアン。それでバッバは「280.1ヤード」先へボールを落とした。メーカーの開発能力は、大変なモノだ

世界を制した、あのPING Eye 2の、ドライビングアイアンが、思い起こされる。

私が渡米したのは、遠く79年9月。これから世界への、人脈を開拓する時。平日は何でもいいから取材。週末は米ツアーの中継をテレビ観戦。その後アパートに近い公営コースへ。地元民に混じり、日没まで薄暮の割引ゴルフ。

値段の安さ。潜りゴルファーの存在。それらと共に驚いたこと。それは何処も、4つのパー3の一つか二つが、230前後だったこと。私は自動的に3Wかドライバー。そのホールで向こうの連中、アイアンで打ち、時にグリーンをオーバーする。

「ナンだ、こいつら化け物」度肝を抜かれた。

デービス・ラブ三世は、プロデビューの頃から取材した仲。当時の彼は2アイアンで、280を正確に打っていた。

その当時プロばかりかトップアマ。彼らに目立ったのは、ドライビングアイアンの存在だった。彼らのバッグに、ウッドはドライバーだけ。その隣で1番アイアン。いわゆるドライビング・アイアンが、幅を利かせていた。

私には手の届かない存在。或る時こんな遣り取りがあった。オハイオ州立大のゴルフ場。ニクラスが学んだコース。当時監督支配人ヘッドプロ三役はジム・ブラウン。帝王のお膝元だけに、ジムのクラブはマグレガー。処がその中に一本だけ、別のメーカーが混じっていた。それがPING Eye2のドライビング・アイアンだった。

「デューク、これ写真、撮らないでくれ」。ジムの焦った顔付き。マグレガーと契約している、ニクラスの後輩でさえ、当時PING Eye2ドライビング・アイアンの魅力を、断ち切れなかったのだ。

日本人の私には、打ちこなせないドライビング・アイアン。その伝統が今年PINGの新製品として登場した。それが
cross over。この一月発表された、新アイディアのドライバーを押しのけ、私が着目した新製品。形はこの写真だからアイアン。説明は、こう書かれている。

「ヘッド速度と、ミスを救ってくれる(forTR1966_ANSER_FACEgivenness) はハイブリッドの能力。それに対しコントロールと、それに伴う能力はアイアン、との説明。早速テストしたバッバ・ワトソンが、初スイングで「280.1ヤード」とニンマリした。

更にバッバに、メイハンやリングマスが加わり、1月中フロリダで、繰り返しテストを実施。「僕たちプロが気に入るのだから、アマチュアのユーザー二も、役立つはず」とメイハン。

この辺り、ウッド以上にロングアイアンを好む、欧米の上級ゴルファー。彼らの伝統が、しっかり受け継がれていることが分かる。

もう一つは、創業者、カーステンの、ミスを救ってくれる着想。それはトゥーヒール・バランスのPINGパターから、キャビティのアイアン迄。その後世界の全メーカーが真似した。その基本は現在でも不変。それを証明する目的もあり、PINGはTR1966パター(写真)を、1月25日世界の市場に出した。50年前の用具が、21世紀の現在も注目される。

Cross overとTR1966パター。ゴルフ愛好者は、春が待ち遠しい。

(Feb.1st.2016)